「関ヶ原」を見たばかりだが、また映画見てしまった。無料招待券、残ってたし。




妻は6月から見たがってた「昼顔」、私はまたまた役所広司の「三度目の殺人」。物騒な組み合わせ。しかも夫婦別々に視聴。

私の方の感想を言えば、同じ時期に見た映画って、テーマが同じように感じてしまうのはどうしてなんだろう…ということ。どちらも、人間の嫌〜な部分が描かれていて、とにかく理不尽。法廷ですら真実が語られることはなく、正義なんて跡形もないのは三成さんの時代から同じ。

ただ、私たちは日常から正義とか真実なんか大切にしてないんじゃないかな…と思った。どんなおかしなことを言っても、その人の語気が強かったり、その人が実力者だったりすれば、大抵は「うんうん」と頷くばかりだ。

アメリカの法廷ドラマを見ると、「真実などどうでもいい」というのが既に大前提になっている。だから、この映画には「真実に向き合わなくていいんですか?」みたいなスタンスがまだ伺えるから、まだ日本はマシなんだなと思った。実際、「日本の法曹界は裁判員制度を入れなきゃいけないほど腐ってはいないぜ」という御意見を事情通の方から聞いたばかりなのだが。

見ているうちに、真実なんて意味が無いし、正義なんて何の値打も無いと思ってくる。そんな時に、斉藤由貴さんにしどろもどろに不倫疑惑を否定させたり、橋爪功さんに「親子だって(息子の気持ちは)分からないじゃないか」とつぶやかせたりしてくれるので、大笑いしてしまった。

そんな中で、役所広司さんがうまそうに大好きなパンを頬張る姿が際立つ。この人がありのままなのはこの場面だけだったかもしれない。

エンドロールの一番最後に「三度目の殺人」という文字を見て、初めて気づいた。「三度目の正直」か!我ながら鈍い。もし、三隅容疑者(役所広司)に「そうなんですよね?」と尋ねれば、ニッコリ笑って「ああ、そういう解釈も良いですね。」と答えそうだ。

真実などどうでもいいことなのだ…。ていうか、そもそも真実って何だ?