それ後、スエさんから電話が来るのは、息子さんかお嫁さんがこちらに来ている時が多くなった。

息子さんは外の方、家の周りを片づけていた。お嫁さんは家の中を整えていた。スエさんの家は少しずつ手入れの行き届いた小奇麗なものへと変わっていった。

いつの間にか、電話が来なくなって数カ月が経った。翌年の元旦、信市郎さんとスエさんから年賀状が届いた。住所は老人ホームになっていたが、やはり鎌倉の老人ホームではなく、さくらんぼの森の中にある老人ホームだった。

その年末には信市郎さんが亡くなり、喪中のハガキを頂いた。面会に行けばよかったと、今も悔やまれる。

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