それから一週間ほどして、スエさんの番号から電話があった。
「先日はどうもありがとうございました。嫁です。今、こちらに来ているので、お父さんとお母さんをお願いできますか?」

訪問してみると、息子さんも来ていて、丁寧に先日のお礼を言って下さった。息子さんも嫁さんも、穏やかで優しい感じの人だった。

あの後は特に問題は起きなかったけれども、週に一回は、できれば二人、ダメなら息子さんか嫁さんのどちらか一人、こちらに来ることにしたということだった。

「まずは一週間に一回ということでね。いずれはこっちに皆で住むんだから。」と、スエさんが念を押すように言った。息子さんは否定も肯定もせず、表情も変えずに聞いていた。こんな強い母には、なかなか反論もできないのだろうと感じた。

施術を終えて帰る時、息子さんだけが外に見送りに出て下さったので、聞いてみた。
「鎌倉からこちらに移ってくるというのは、なかなか難しいんでしょ?」

「そうなんです。」
彼は、苦笑して答えた。

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