*** Visitors always came to the house. ***

この寛大な決断をして二十年くらい。この決断が渋木さん(仮名)の場合は好循環を生んでいるように思えた。

とにかく来客が多いのである。近所の人や智恵子さんの友達が入れ替わり訪れる。もしも娘夫婦が同居していたら、これほど気兼ねなく人が訪れることは無かっただろう。

休日ともなれば、二人の娘が訪れる。家族連れの場合もある。盆とか正月に、遠くに住む娘たちが帰省して勢揃いするというパターンなら普通にであるが、渋木家は毎週土日がそんな賑わいであった。もしも、どちらかの娘さんが同居していたら、他方の娘さんの家族はこんなふうに訪れることはしないだろう。

ひょっとしたら、どちらの娘さんの夫婦も「私たちの結婚を許してくれてありがとう」という感謝の気持ちを持ち続けているのかもしれない。それが、その子どもたちにも何となく伝わっているようで、お孫さんたちもここに喜んで集まっている雰囲気があった。

智恵子さんの友人たちと娘たちがかち合うことも日常茶飯事だったが、「お客」として同格であり、変な気兼ねは全く無かった。むしろ、娘たちも友達の一員として智恵子さんを中心に冗談を言い合いながら、うまく絡み合っていた。

これは、智恵子さんが明るい性格で話題も豊富だということもあっただろうけど、やはり寛大な決断が最も寄与しているように思えた。

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