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「空海とヨガ密教」(Gakken) 第2章「入唐求法の真相」(p45〜83)を読みました。

まず、空海が持っていたと思われる超人的な記憶力。これを説明するために使われてきたと思われる「虚空蔵求聞持法」。本当に効くかもしれないので、真言をメモっておきます。

《以下引用(p48)》
ナウボウ・アカシャガラバヤ・オン・アリカマリ・ボリソワカ

これを一日10000回×100日で計「百万遍」唱える修行です。

この「虚空蔵求聞持法」と「大日経」を翻訳したのが善無畏三蔵です。虚空蔵菩薩は「自然の本質そのもの」なのだそうです。

若き空海に影響を与えたと言われるのが勤操です。

《以下引用(p53)》
勤操の弟子に混じって、空海こと佐伯真魚はこの雑密を学んだと思われる。では、具体的に雑密、つまり勤操の密教とはどのようなものであったのか。じつは「ヨガ」であった。現在、ヨガ教室に通っている人たちが学んでいる内容が、いわゆる雑密に近く、真言宗の寺院で行われている行法が真密に近い。これはまた後で論じることにする。
《引用終り》

にわかには信じがたいのですが、イメージしやすい仮説ではあります。雑密については司馬遼太郎の文章もご覧ください

さらに、空海がヨガをやっていたであろう根拠として、「五筆和尚(ごひつおしょう)」の伝説を挙げています。

《以下引用(p57)》
…両手、両足そして口にそれぞれ筆を持ち、五本の筆で壁に同じ字を書いたという伝説だが、これは空海が心の命じるままに体を動かしたことを意味する。いわば「心身の一致」を表現する伝説である。心身の一致は、インドでは「ヨーガ」といい、漢語に音写して「瑜伽(ゆが)」という。
《引用終り》

入唐して、空海は二人のインド人の高僧に学んだことが分かっているようです。

《以下引用(p69)》
…牟尼室利三蔵(むにしりさんぞう:?〜806年/梵名「ムリチニー」、漢訳法名「寂黙(じゃくもく)」)と般若三蔵(734〜806年ころ/梵名「ブラジュニャー」、漢訳法名「智慧」)である。
《引用終り》

《以下引用(p71)》
「私は大唐の貞元二十年(804)に長安の禮泉寺(れいせんじ)において、般若三蔵および牟尼室利三蔵に南天のバラモン等の法を聞いた」と空海は書き残している。これはきわめて重要な言葉である。
《引用終り》

きわめて重要なのですが、出典が書いていないのが残念です。

アマゾンのレビューなどでも指摘されているように、強引な論理展開が随所に見られる本だと私も感じています。ただ、空海もヨガは多少たしなんだだろうなとは思います。

例えば、「輪廻の観念は仏教の発明ではなく、仏教成立当時のインド社会の周知の世界観・人生観」と言われるように、私たちが仏教として捉えているものの中には単に当時のインド社会の常識も含まれているわけです(逆に、昔の日本文化からお寺に流入したものも、インド伝来の仏教として捉えているものが多々あるのでしょうけど)。

真言宗は真言を最も大切にしている宗派だと思いますから、空海は最もインドに傾倒した宗祖だと思います。ですから、瞑想法のひとつとして、今日のヨガ的なものは、サンスクリット語を習う傍ら、インド僧から一緒に習っていたことでしょう。