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今回は2014年度に岩手県立一関第一高等学校附属中学校で出題された問題を見てみます。
問題1:地球温暖化に最も影響を与えている二酸化炭素であることが資料1から分かるので、ガソリン車に比べて排出量が約半分のハイブリッド車は環境にやさしい車だと言うことができます。
問題2:ハイブリッド車の場合、1年間で必要なガソリンの量は、
13000〔km〕÷ 25〔km/L〕=520〔L〕。
5年間では 520〔L〕 × 5〔年〕 = 2600〔L〕。
ガソリン代は 2600〔L〕 × 145〔円/L〕 = 377000〔円〕。
ガソリン車のガソリン代より725000 − 377000 = 348000〔円〕も安いので、車のねだんが30万円高くともハイブリッド車の方が得になります。




問題4:
(理由1)1回の充電で走行できる距離が非常に短いので、充電設備はガソリンスタンドよりも短い間隔で存在する必要がある。コンビニエンスストアに設置すれば、倍以上に増やすことができるから。
(理由2)普通充電器の場合、1回の充電にかかる時間が非常に長いため、長時間滞在する場所に設置するのが望ましいから。

現在の公立高校入試問題は、習ったことを問う形式になっています。しかしながら、中高一貫校の適性検査問題は考えを問う形式が多く見られます。今回紹介した問題のように、初めて見る資料から内容を読み取り、自分で考察し、答えを記述しなければいけません。ただ、これは大人になって独りで判断して生きていくために必要な能力です。むしろ、従来の入試問題で、なぜこの点が問われてこなかったのか不思議に思うべきかもしれません。

自動車と環境問題について付け加えますと、電気自動車は走行中に二酸化炭素を出さないことから「究極のエコカー」と呼ぶ人もいます。けれども、電気は火力発電でほとんどが賄われており、発電の段階では二酸化炭素を大量に発生しています。原発が再稼働されれば、核廃棄物が発生することになります。ゆえに、残念ながら現段階では、電気自動車の環境に対するやさしさはハイブリッド車と同程度と言えます。
次世代自動車としては、燃料電池車ももうすぐ製品化されようとしています。水素を燃焼して走りますが、水素を燃焼しても水しか発生しないことから、これまた「究極のエコカー」と呼ばれたりします。けれども、水素を大量に供給するためには、水を電気分解する方法が用いられるはずです。結局、電気なのです。「究極のエコカー」となるには、全電力が太陽光などの自然エネルギーで賄われなければならないのです。

エネルギー問題ひとつ取ってみても非常に複雑で、原発をどうするかというような非常に大きな課題が目の前に横たわっています。親子で資料を集めて、話し合ってみるのも大切なことではないかと思います。そして中高一貫校の場合には、それが受検対策となります。




参考文献:2015年度受検用公立中高一貫校適性検査問題集(みくに出版)小林教室収蔵

《教室だより増刊号インデックス》

※今後、大学入試や高校入試で一般的になると思われる合科目型・総合型の出題形式が公立中高一貫校適性検査では既に一般的になっているため、この増刊号で取り上げています。ですから、中高一貫校だけを特に意識しているわけではありません。もちろん、だからと言って東桜学館を全く意識していないわけでもありません(笑)。

◆◆◆公文式小林教室◆山形県東根市◆◆◆