なぜ、それを好きになるのか?脳をその気にさせる錯覚の心理学の「第2章.見た目の情報で「好ましさ」が決まる」(p27〜50)の「第2節.好きは無意識の精神活動が作り出す」(p40〜50)を読みました。(小林教室収蔵

「心理学」とは?「鬱病」とは?の捉え方が面白い!というか、なるほどと思いました。

人間は、生まれた時はタブラ・ラサの状態、パソコンなら何もインストールしてない状態だと思います。DNAはハードウェアの仕様で、大きくなってからの行動パターンはこれに由来する部分もかなりあるとは思います。が、その他は生まれてからの経験をもとに神経のネットワークが構築されていくのでしょう。

視覚・聴覚といった五感は、目や耳などのセンサーから来た信号をそのまま使っているわけではなくて、脳がかなり処理を加えていることが知られています。これをこれからうまく活用して行こうというのがバーチャル・リアリティの技術だと思います。また、これが不思議な具合に作用してしまうのが錯覚と呼ばれる現象なわけです。

目とか耳というセンサーはDNAによって若干仕様が違うと考えられます。生まれてから、実際に見たり聞いたりする中で、その人なりの、目や耳から送られてきた信号を画像処理・音声処理するソフトウェアが構築されていくわけです。

そうやって得られた周囲からの刺激をもとに、感情を動かしたり、思考をめぐらしたり、ということが繰り返され、神経ネットワークがさらに複雑に構築され、脳の中のソフトウェアが出来上がっていくわけです。

間違いの無い(?)ソフトウェアを買ってきてインストールできればいいのですが、人間は自己学習型です。生まれてからの環境に大きく依存します。しかも、残念なことには、どんな環境に置けばどんな神経ネットワークが構築されていくかという因果関係が殆ど分かっていない…。

この本によれば、この辺のところを取り扱う学問が「心理学」ということであり、このソフトウェアの動作段階での不具合が「鬱病」などの心的疾患と言えるようです。

このソフトウェアの処理は無意識に行われるので、便利でもあり、厄介でもあります。そして、この無意識の処理がスムーズに行われる対象(絵や音楽や言葉などなど)を、私たちは何となく好きだと感じるのだそうです。

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