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「オランダの個別教育はなぜ成功したのか」の「第2部 オランダ・イエナプラン教育」(p79〜195)「第四章 開かれたイエナプラン教育」(p183〜195)を読みました。(小林教室収蔵

イエナプラン教育では、〈学校の真正性〉は二つあると考えているそうです。「真正性」は、オランダ語のauthenticiteit'、英語のauthenticity、平たく訳せば〈ホンモノ〉というニュアンスだそうです。

二つのうちのひとつは、子どもと現実世界を引き合わせる場面でなるべく〈ホンモノ〉を使うということ。写真や絵で説明するのはやむを得ないけれど、なるべく本物を見聞きさせましょうということのようです。

興味深いのは、もう一つのほう。教育者の真正性です。

《以下引用(p186)》
イエナプラン教育では、学校における大人と子どもを、授業を与えるものと授業を受けるものという関係とは捉えません。そうではなく、〈人間〉(大人)と、〈やがて大人になろうとしているもの〉(子ども)との出会い、として捉えます。学校での学びを通じて、大人になる準備をしている子どもに対して、イエナプラン教育では、大人である教育者は、自分自身を役割や地位の陰に隠してはならない、教育者は、教育の場面において、〈ホンモノ〉の大人でなくてはならない、というのです。教育者といえども、迷いもあれば、自分自身が学ぶこともあるでしょう。そのことを踏まえ、自分を信じて話しかけてくる子どもたちに対して、きちんと向かい合って対話をする心構えの大切さを説いています。
《引用終り》

著者が紹介しているエピソードが、例として分かりやすいでしょう。交換留学で短期間日本で学んだオランダ人の高校生が、「オランダの学校の先生は、生徒から質問を受けて答えられない時には『ノー、私は知らない』と言えるが、日本の先生は、『ノー』と言えない」と感想文に書いていたそうです。

《以下引用(p187)》
教室で一様に前を向いて座っている生徒たちに対して、知識や情報の伝達者として教壇に立つ日本の先生たちには、子どもからの質問を受けた時に答えられないのは伝達者としての資格がないことのように感じられるのではないでしょうか。しかし、個別教育は、子どもの自立的な学びを基本としています。教育者は、子どもがわからないことに出会った時、その答えを与えることではなく、そのわからないことの答えを子どもと一緒に考えることを期待されています。人間、死ぬまでにたくさんのわからないことに出会います。教育者にできるのは、わからないことに出会った時にはどうすればよいか、という姿勢や行動の仕方を教えることです。子どもの「わからない」という問いに答えを与えるのが教育者の役割ではありません。子どもの一つひとつの疑問は、探究的に、また、自立的に学ぶプロセスの大事な第一歩なのです。
《引用終り》

公文式の考え方と重なります。

《インデックス》

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