「新・ヒトの解剖」の「5.顔と頭」(p142〜179)を読みました。(小林教室収蔵

歯は、魚のウロコに由来するという話は前に書きました。

《以下引用(p170)》
…私たちの皮膚の表皮は、たえず深層であたらしい細胞が生まれ、しだいに表層に移動して、表面からアカとなってはげ落ちている。ヘビなどの皮膚は、成長にともなって「脱皮」することも知られている。動物の毛も夏と冬で抜けかわる。歯も、爬虫類までの動物では、動物の成長にともなってつぎつぎと生えかわり、からだが大きくなるにつれて歯も大きくなっていく。哺乳類では、性成熟をおこすと、からだの成長が止まるので、歯も幼児期の乳歯と大人になってから使う永久歯の二セットしか用意されていない。それでも、その由来を守って、生えかわるのである。
《引用終わり》

歯がアカのようにはらはらと抜け落ちて、次々新しい歯が生えてくるのであれば、入れ歯の心配どころか歯磨きすら必要ないかもしれません。性成熟をおこし、からだの成長が止まった瞬間から、老化が始まると言われます。その後のからだの変化は、すべて成長とは呼ばず老化。種族保存のための手続きさえ行えれば、一世代の役割は終わるということなのかもしれません。

《以下引用(p170)》
動物とくに草食動物では、歯のすりへりかたがひどく、齢をとると、ついにすべての歯がすりへってしまい、ものを食べることができなくなってしまう。じつに「歯の切れ目が命の切れ目」なのである。人間でも、齢をとると、歯はムシ歯や歯槽膿漏(歯周症)になってしだいに抜けおち、歯の数がへって、ついには一本もなくなってしまうことが多い。人は動物とちがって、やわらかいものだけを食べたり、入れ歯をいれることで長生きをすることができる。よい入れ歯をいれれば、また自分で咬めるようにもなるが、やはり自分の歯にまさるものはない。日ごろから歯みがきを心がけ、何歳になっても自分の歯でものを咬めるようにしたいものである。
《引用終わり》

草食動物が、そんなに歯に悩んでいるとは知りませんでした。哺乳類は歯を大切にしなければいけないのですね。

《インデックス》

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