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「オランダの個別教育はなぜ成功したのか」の「第2部 オランダ・イエナプラン教育」(p79〜195)「第一章 イエナプラン校を訪ねる」(p82〜142)の「生と学びのための学校――リビングルームとしての教室」「マルチエイジの根幹グループ」を読みました。(小林教室収蔵

イエナプランの小学校では、教室はリビングルーム(Woonkamer)、担任の先生はグループリーダーと呼ばれています。

《以下引用(p83)》
それぞれの教室に入ってみると、グループリーダーの人柄や個性を窺わせるものがいろいろとあることに気づきます。たとえば、「ドルフィン・グループ」と名づけられた男性のグループリーダーの教室には、このグループリーダーの名前を刺繍したクッションが、教室の真ん中の籐椅子に置かれています。多分、何年か前に、このグループで過ごし、上の学級へ進級していった子どものお母さんたちが、思い出と感謝の気持ちをこめてグループリーダーに贈ったものでしょう。

また、教室の壁の色、本棚やコンピューターの置き方、読書コーナーなどにかけられたカーテンの色なども、教室ごとに違います。こういう教室の内装も、学年のはじめに、グループリーダーが子どもたちと一緒に話し合いながら決めていくのです。このような教室の内装づくりの背景には、学校を、子どもと教員が共に参加して作る共同体として捉える考え方があります。学校は、単に、知識や技能を学ぶ場に留まらず、子どもたちが、子ども同士、また、教員や、保護者たちと生活を共にする場なのです。
《引用終り》

教室のレイアウトは本書85ページの図をご覧下さい。グループリーダーの事務机は教室の片隅にあり、教壇はありません。その代わり、黒板の正面には、10人未満の生徒を集めて指導するための大きなテーブルが一つ置いてあります。また、教室の中央には、子どもたちが作業(工作)するための大きなテーブルが一つ置いてあります。

子どもたちのテーブル5つくらいあって、壁際や窓際に配置され、5〜6人で一つのテーブルグループを構成します。その他、空いているスペースには、読書コーナーやコンピューターコーナーが設けられています。また、ありとあらゆるところに棚が設けられ、様々な教材や備品が備えてあります。

イエナプランでは、3学年混合のグループを「根幹(ファミリー)グループ」と呼んで、学校での様々な活動の基本的な単位にしています。幼児グループ(4歳児〜6歳児)、低学年グループ(6歳児〜9歳児)、高学年グループ(9歳児〜12歳児)に分かれています。

例えば低学年グループならば…
《以下引用(p90)》
日本の学校でいうと、小学一年生から三年生までのグループです。子どもは、同じグループリーダー(担任教員)の同じ教室に三年間留まることになります。一年経過すると、三年生(普通は9歳児)が高学年グループに移動し、幼児グループから新一年生が入ってきます。つまり、グループ全体の三分の一の子どもが交替し、残りの三分のニの子どもたちは、そのままそのグループに留まることになります。

このような三学年にわたる子どもたちからなる根幹グループの教室の中で、子どもたちは、さらに、5〜6人ずつの机を向かい合わせて座る「テーブルグループ」に分かれ、ここで、自立学習や共同学習の多くが行われます。この「テーブルグループ」も、必ず、三学年にわたる子どもたちを組み合わせて作ることになっています。つまり、6人のグループであれば、二人が一年生、二人が二年生、二人が三年生という形です。
《引用終り》

これは複式学級に似ていますが、特別な事情がない限り、このようなクラス編成をするのは世界的にも珍しいようです。そのメリットは…
《以下引用(p91)》
…根幹グループでは、子どもたちはそれぞれ、年少・年中・年長の三つの立場を順に体験することになります。それに伴って子どもたちは、教えたり助けたりする立場、教えられたり助けられたりする立場というような役割を、交互に体験することになります。…また、その立場を三年の間に交替して体験することによって、自分以外の人の立場を理解する助けとなり、人間関係の築き方の訓練となります。…たとえば病欠などで、一時的に学習が遅れたような場合にも、子どもは不必要に疎外感を感じずにすむのです。なぜなら、そうした子どもの遅れを取り戻すために手助けするくらいの力を、テーブルグループの仲間の子どもたちが持っているからです。
《引用終り》

かねがね私は、複式学級の方が子どもにとっては恵まれた環境なのではないかと思っていました。上記の根幹グループのメリットがある程度期待できるからです。しかしながら、日本で複式学級に入るためには僻地に引っ越さなければなりません。しかも、そのような学校は次々と閉校になっています。

さて、イエナプランの教室では学習時間の多くが自立学習に割かれ、同じテーブルグループの子どもでも、それぞれが異なるレベルの課題に取り組んでいます。

新しい知識や技能について学ぶときにはグループリーダーの指導が必要になりますが、このときは通常学年ごとに、黒板正面の大きなテーブルでグループリーダーを囲んで座ります。このような指導は15分くらいで足りるそうです。まず、一年生が集まって指導を受け、その次は二年生、最後に三年生となります。

グループリーダーからの指導が終わった子どもたちは、それぞれが自分の課題に取り組みます。全ての学年の指導を終えたグループリーダーは机間巡視を行い、必要に応じて助言をしたり、質問に答えたりします。

このような教え方・学び方の時は1時限(50分間)では足りないので、2時限分をくっつけたブロックアワーで行われます。

《以下引用(p100)》
文法なり、計算の仕方なり、ある知識や技能を教える際、グループリーダーは、大きなテーブルに子どもたちを集めて、まず、10人の子ども全員に対してゆっくりと説明します。一回目の説明で、理論なり方法なりを理解した子どもがいるとします。この子どもたちを、自分の席に返して自立学習で復習させ、次に、残った子どもを相手にもう一度説明をします。子どもたちの理解度によって、また、教える内容によって、説明の仕方を変えるかもしれません。この二回目の説明で理解できた子どもたちが出てくるでしょう。この子どもたちを席に返し、自立学習で、問題集の復習問題などに取り組ませます。そうしても、それでもまだ理解できない少数の子どもたちに対して、もう一度、わかるように懇切に説明します。それでもまだやや不確実な子どももいるかもしれませんが、一旦みんな席に返します。

こうして、三回ほどの説明を終えて、子どもたちを全員席に戻し自立学習を始めさせると、グループリーダーは、教室の子どもたちの間を静かにゆっくりと巡回します。当然、巡回しながら、先ほどの説明の際に最後までよくわからずにいた子どもたちには、特別の注意を払います。自立学習で問題を解いたり作業をしたりしている子どもたちの様子を観察し、理解度が十分でない場合には、その場で、必要なアドバイスを与えます。
《引用終り》

《インデックス》

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