「新・ヒトの解剖」の「4.五臓六腑」(p68〜141)を読みました。(小林教室収蔵

今回は脱腸。鼡径ヘルニアで、私は小学生の時に手術しています。この病気も直立歩行になったことが原因のようです。

お腹の筋肉を、筋膜や壁側腹膜もろともに切り開いても、まだ内臓は出てこないのだそうです。大網という腹膜のヒダが内臓を隠しています。

《以下引用(p105)》
このしわだらけのエプロンのような大網は、4枚の腹膜からつくられており、独特の「腹がけ」(俗にいうどんぶり)となっている。ふとった人では、ここにも厚い脂肪がついていて、まっ黄色をしており、平らな前腹壁と凹凸にとんだ内臓の間におかれたクッションのような役目をはたしている。
《引用終わり》

「俗にいうどんぶり」というのは、「腹がけ」よりもかえって分かりにくいかもしれませんね。昔、八百屋さんとか魚屋さんとかが付けていた前掛けのことだと思われます。これのポケットにお金も入れていたので、「どんぶり勘定」という言葉が生まれたらしいです。

《以下引用(p105)》
大網をとりのぞくと、ようやく内臓を見ることができる。横隔膜の下のおなかの右上には、大きなきのこの傘の形をした肝臓が、その左側にはふくらんだ胃袋が、そしてその下には幾重にも折りかさなった小腸と大腸がところせましとぎっしりと詰めこまれている。
《引用終わり》

この内臓はただ詰めこまれているわけではなく、腹膜で覆われており、さらに腹膜が二重になった腸間膜によって腹腔の後ろの壁(後腹壁)につりさげられているそうです。

ただ、後ろの壁というところが問題なわけですね。四つんばい仕様だということです。直立仕様なら、横隔膜とか、上の方からつりさげなければなりません。横用の物を立てて使っているので、どうしても下に垂れてくるわけです。

それが原因で起こるのが、鼡径ヘルニアとか痔・脱肛というわけです。

《インデックス》

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