「大人のラジオ体操」の一番目「背伸びの運動」(p20〜p21)です。

《以下引用(p21)》
これから始める体操を効果的に行うために、最初に正しい姿勢をとっていきます。正しい姿勢とは反りすぎず、前かがみにならず、床にしっかりと体の重心が乗っている状態です。
《引用終わり》

この「反りすぎず、前かがみにならず」というのが一番難しいところだと思います。中庸は、拮抗関係の均衡から実現するしかなく、姿勢の場合は背筋腹筋のバランスです。

大抵の人は、普段は腹筋をダラ〜ンと弛緩させていて、姿勢の維持作業はほとんど背筋に任せきりにしています。四つん這いの時は内臓が落ちないように自然と力が入っていたであろう腹筋ですが、直立になってしまったがためにサボることができるようになったのです。

この、背筋と腹筋のアンバランスが、内臓脂肪や皮下脂肪を付きやすくし、背筋だけが働き続け、腰痛を引き起こしています。また、ピラテスの理論が、腹筋の緊張が骨盤の歪みを矯正すると指摘していることを考えれば、骨盤の歪みを引き起こしていると言うこともできます。

背筋すなわち脊柱起立筋(腸肋筋最長筋棘筋)と腹筋群(腹横筋腹直筋内腹斜筋外腹斜筋)を均衡させることを、本書では「おなかを凹ませる」とか「上半身が上に引っぱられるイメージで!」と表現しています。

お腹を凹ませるということは、横隔膜を上に押し上げた状態ということで、腹式呼吸では吐き切った状態になります。そこで、「息を大きく吸いながら、腕を前から振り上げ」るので、完全な胸式呼吸になります。肋骨と背骨の動きによって、胸郭を前後左右上下に拡大することで息を吸います。両腕を挙げる動きは胸郭の拡大を助け、下げる動きは胸郭の縮小を助けます。

日常の作業でも、腹筋に力を入れるということは、腹式呼吸を(ある程度)諦めるということになります。抗ストレス・リラックスが声高に叫ばれる昨今、腹式呼吸は名声を博しましたが、「正しい姿勢」で腰を痛めずに作業を行うためには胸式呼吸を心がけるべきだと思います。

これから体操するぞ!という時に、この姿勢と胸式呼吸の確認を初めに行うことは重要ですし、これから仕事をするぞ!という時にも是非確認したいところです。

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