「新・ヒトの解剖」の「解剖のはじまり」(p32〜51)を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用(p38)》
解剖実習では、まず、体表の観察をしたのち、皮はぎをはじめるわけであるが、このとき、遺体によって皮下組織の厚さにかなりの違いがあることを思い知らされる。男女を問わず、やせて皮下脂肪のすくない遺体では、皮をはぐと図2−5の解剖図のとおりに、皮下の神経と血管が筋膜の上に配列し、筋膜をすかして筋肉の走りぐあいまではっきり見てとれる。これにたいし、ふとった遺体では、まったく事情が異なってくる。皮をはいでも、真皮に脂肪が厚くくっついてきてしまうだけでなく、皮下にはまるで「綿入れ」をまとったような分厚い脂肪層があって、皮下の神経や血管はそのなかにうずもれてしまい、筋肉などまったく見られないというありさまとなる。
《引用終り》

私たちの実習は、この作業が終わった後の遺体を見せていただいたので、この苦労は分かりません。ただ、取り除かれた黄色い脂肪の山が置いてあったような気がします。「これを取り除くのがとても大変なのです」と大学の先生もおっしゃっていたような…。

太っていると、死んでからも大変なんですね…

《インデックス》