「新・人体の矛盾」の「10 大脳皮質は考える」を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用》
もっとも人類的な発達をとげているのは、前頭前野とよばれる前頭葉の前端部分である。この領域では、動機づけや概念的課題の遂行、集中力などといった高度な脳活動と、ふかいかかわりがあるものと考えられている。この領域が高い意識レベルをうみだし、目の前にあるものばかりでなく、これから作ろうとするものの視覚的なイメージを構成することができたり、さらには抽象的な概念の構成にあずかるもの、とみられている。
《引用終り》

これまで、このブログでも前頭前野については触れています。爆問エチカの鏡などテレビでも取り上げられていましたし、川島隆太先生も一時期は時の人でしたから、さぞ新しい研究成果だと思っていたのですが、井尻先生の時代から知られていたことなんですね。

《以下引用》
…ヒトの大脳皮質の発生のようすをみると、これらの言語野や前頭前野など、人類になってはじめて出現した領域は、その脳細胞の構築がもっともおそくなり、小児期に、やっとはじまるのである。このなかでも、運動性言語野の構築がはやく、つづいて聴覚性言語野、前頭前野の順に発達してくる。この順序性は、歴史的な大脳皮質の発達の順序にほかならない。
《引用終り》

人の人足り得る部分は小児期に形成が始まる…これは「頭のデキは生まれた時から決まっている」という意見が間違いであることを示しています。つまり、幼児教育が重要であることにほかなりません。

幼児とは逆の、成人の生活習慣病に関して、興味深いことが書いてあるので、最後に引用しておきます。

《以下引用》
ヒトの脳の大化には、別な側面からの限界性を指摘する学者もある。それは、脳の混乱した血管系が脳に制約をくわえている、という考えである。一般に脳をふくめて外胚葉からつくられた器官は、表皮を典型とするように、血管の侵入が乏しく、血管系の構築が原始的な状態にとどまっている。人類の急速な脳の大化には、血管系の発達がおいつかず、脳血管の障害が頻発する原因となっている、と考えられる。したがって、脳のこれ以上の発達は、血管系の改善なしにはありえないわけである。
《引用終り》

《つづく》