「新・人体の矛盾」の「9 胎盤の出現」を読みました。(小林教室収蔵

脊索動物から魚類までは、無脊椎動物と同様、海に卵を生み落し、卵は海水中で大きくなりました。

上陸を果たした両生類も生殖のためには水から離れることはできず、卵は厚いゼリー層で守られてはいるけれども、卵としての構造は魚類と大差がありません。

爬虫類の胎児は羊膜で覆われ、中に羊水を入れ、羊水に浮かび、外側は固い殻で保護されています。水分の蒸発も防いでいるので、水から離れた地上に卵を生むことができます。

哺乳類は、爬虫類でつくりあげた羊膜の構造をそのまま母体に取り込み、子どもを育てるようになりました。

この流れを俯瞰したうえで、著者はこれからの胎盤の未来について自由に想像を膨らませています。それについては本書を見ていただくとして…

ヒトのこれ以上の脳の巨大化は難産をきたすし、さりとて産道を大きくするためには骨盤を拡大しなければならない。しかし、それでは直立姿勢のバランスを崩すことになる。この矛盾が、今後も立ちはだかることになるでしょう。

妻の二度のお産の時の産科医の対応を思い起こすと、帝王切開をやりたがっているように感じました。帝王切開は上の矛盾を解消する方法であり、カエサルの時代からあった歴史の長いお産の方法です。

帝王切開を増やすことで脳の巨大化が可能になるんじゃないか?というのが、私の自由な想像であります。頭でっかちの遺伝子を持った子孫が帝王切開で生まれることにより、人類は脳が巨大化する方に進化している可能性はあります。しかし、それは帝王切開を前提とした進化であり、自然分娩はどんどん困難になっていくでしょう。

《つづく》