「新・人体の矛盾」の「8 毛根をさぐる」を読みました。(小林教室収蔵

鼻と口の間には口蓋という仕切りがありますが、トリやヘビにはこれが無いのだそうです。自分たちの構造が当たり前だと思ってますから、ちょっとビックリです。

このような構造を二次口蓋と言うそうですが、これを持っているのは哺乳類だけ。このおかげで、鼻腔は呼吸のための専用通路となり、吸気で脳の冷却を行うと同時に肺に行くまでに暖められるという熱交換が行われています。パソコンも頭脳の役割を果たすCPUの発熱を冷やすために送風口がありますし、車のラジエターも鼻に似ています。

これは逆に言えば、発熱に悩む恒温動物であるがゆえに必要とも言えます。爬虫類までの変温動物にはあまり必要ではないかもしれない。ただ、鳥がこの構造を持たないのはどうなんでしょうか。くちばしが放熱しているのかどうか。

口の方もこれによって初めて咀嚼が可能になります。消化能力が高まり、体全体の代謝量も上がり、酸素の要求も高まり、それに呼吸専用になった鼻がこたえる…という相乗効果もあったわけです。

さて、ここから体毛の話になります。ヒトは、歯や咀嚼筋が退化する一方で、脳がどんどんと肥大化し、口の突出が無くなり、これに伴い鼻腔も退行し、上記の冷却機能が衰えました。それの代わる冷却機能として、汗腺を発達させ、汗の蒸発を妨げる体毛が無くなったのではないか…。

もちろん、仮説の域を出ないわけですが。

《つづく》