例えば、机に向かっている時の姿勢。一番良いのは、背筋をピンとして、あごを引いて、肩の力を抜いて…。でも、そうやっていれば肩コリや腰痛は起きないのでしょうか?

正しい姿勢とか、正しい体の使い方とか、それをきちんと守っていさえすれば肩こりとか腰痛にはならないのだ。そうなってしまったのは自分の姿勢や体の使い方は間違っていたのだ…と考える人は意外と多いです。でも、これは間違いだと思います。

そもそも人体は、魚の体を改造してできていますから、肩こりや腰痛が起きないように考えて作られているわけでないのは明らかです。いくら「正しい」と言われている姿勢を守ったところで、何時間も同じ姿勢でいたら、必ずどこかに負担がたまってしまってコリや痛みが生じてくるはずです。

これの解決法のヒントになると思われるのが、歩くこと。歩くのが体にいいと思われるのは、右足で立っている状態と左足で立っている状態が交互に切り替わることです。片足で立っている状態が、いわゆる「正しい」立ち方ではないはずです。体への負担のかかり方が左右どちらかに極端に偏っていますから。でも、交互に切り替わることで、筋肉は緊張状態が持続することなく、疲れにくくなります。

机に向かっている時も、これと同じように若干右に傾いた状態と左側に傾いた状態を交互に繰り返すことで、疲れを軽減することができると思います。

前後方向についても同じことが言えます。前傾一辺倒になりがちですが、後ろに傾くことも試みてみる…重心が後ろに移った瞬間に腹筋など体の前側の筋肉群が緊張を始めます。

そのまんま筋トレの考察を進める過程で、このような複数の動作パターンを交互に切り替えるような体の使い方についても考えていきたいと思っています。

《つづく》