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『おくのほそ道』『曽根崎心中』『心中天の網島』を読みました。時代は江戸。
『おくのほそ道』は、ドナルド・キーン氏の解説文が素晴らしい。「国破れて山河あり」には私も疑問を感じていました。第二次大戦を想起すれば、国が敗れれば山河も木っ端微塵に爆撃される。そんな近代戦を考えなくても、自然てそんなに不変だろうか…。やはり、中国と日本は違うのかな、と。
どうやら、芭蕉もそう感じていたらしい。聖武天皇の時代からあった多賀城の壺碑に、心を留めています。山や川といった歌枕でさえ、かつての姿を留めてはおらず、自然は不変ではないということを痛感させられる旅であったようです。
さらにキーン氏は、文化元年(1804)の地震で、象潟が既に芭蕉が訪れた頃の姿を留めていないことを指摘しています。景色が変わってしまうような大地震は、千年を待たなくともやってくるのですね。原発を開発した人々が、この文章を読んでいたら…と思います。
『曽根崎心中』『心中天の網島』は、いずれも近松門左衛門の代表作です。浄瑠璃には、英雄や佳人の伝説・実話を題材とした時代物と、江戸時代の庶民生活を取材した世話物があるそうですが、心中を扱った上記二作品はもちろん世話物。時代物では鄭成功をもとにした『国性爺合戦』が有名ですね。
『曽根崎心中』は大阪で起きた心中事件を題材にしていますが、事件から上演までわずかに一カ月しかかかっていないとのこと。この速さに、江戸時代の庶民の活気を感じます。
『曽根崎心中』には昭和の改訂版があるそうですが、近松の正本と比較している富岡多惠子氏の文章が引用されています。改訂版がいかに不粋か、近松がいかにセンスがいいか、とても面白い内容でした。
【グラス片手に大人の公文】国語〔K-180〕
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