「新・人体の矛盾」の「7 耳の歴史」を読みました。(小林教室収蔵

魚のエラ、見てると不思議です。こんなとこに大きな穴があいてる。人間もこんなだったらかなわんな…

ところが、この穴の名残がちゃんと残ってるんです!それがなんと耳の穴。

耳の穴を入っていきますと、鼓膜にぶち当たります。ここまでが外耳。鼓膜の奥には鼓室(耳小骨が並ぶ)という部屋があります。そこにはノドにつながるに通路(耳管)があります。

普段は鼓膜という扉が閉じていますが、鼓膜に穴があいたりすると煙草の煙を耳から出したりできるようになるそうです。でも、宴会の余興にいいとか言って穴をあけないように。難聴になりますから。

飛行機などに乗って気圧の変化が生じた時、耳管が閉じていると鼓膜の内外で気圧差が生じて聞こえが悪くなります。飴をなめると解消するのは、唾を飲み込む時に耳管が開くからです。耳管が役に立つのはこんな時ぐらいでしょうか。中耳炎の原因になっているのも耳管ですから…

でも、この通路が昔はエラ孔だったのです。原始的な魚には顎に続くエラが数列並んでいたそうで、この最前列のエラ孔が耳管→耳の穴ということらしい。

町を歩いていると、車も通れないような小路に立て札が立っていて、昔は何とか街道というメインストリートだったなんて解説が書いてることがあります。

耳の穴も、そんな昔の大通りと言えそうです。

《つづく》