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「空海の夢」(春秋社)
「19.即身成仏義体験」を読みました。

《以下引用》
…では、最も大事なことを書いておきたい。『即身成仏義』において最も注目すべき個所は「重重帝網を即身と名づく」という一行であろうということだ。

重重帝網の「帝網」とは帝釈天が世界に投じた網のことである。その帝網が重なりあい、さらに重なっている。その網目のすべてには光り輝く宝珠がついている。互いの宝珠は互いに鏡映しあっている。そのさまこそが「即身」というものだと、そう空海は言ってのけたのだ。

ここで帝網とはホロニックなネットワークをイメージすればいい。どんな部分も全体を反映しているホロンのネットワークである。空海は、そのホロニック・ネットワークの一点ずつがそのままそれ自体として「即身」ととらえたのである。

この思想的直観は、本書の最後にのべるように、世界哲学史上においてもとくに傑出するものだ。そこには現代科学の最先端のフィジカル・イメージさえ先取りされている。このイメージはのちに〈華厳から密教に出る〉の章に詳説するように、もともと華厳世界観にあったものだった。華厳世界観の前にはウパニシャッドにも芽生えていた。空海はそれをのがさなかったのである。「帝網のイメージ」は密教的生命を得ることによって現代につながったのだ。

空海はそれだけで満足したわけではない。その「帝網のイメージ」が身体のコズミック・リズムと同調していることに気がつく。身体重視思想なら密教の独壇場である。空海は「帝網のイメージ」に「身体のイメージ」をぴったりと重ねあわせた。それこそは沙門空海が若くして四国の大滝や室戸岬で感得した不二の感性の理論的再生というものであったろう。
《引用終わり》

宇宙と自己存在を語る上でいろいろな比喩がありますが、網の喩えは知りませんでした。「ネット」という点でも、現代を先取りしていると言えそうです…。

《つづく》