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一般の方は意外だと思うのですが、針を刺して骨に当たった感触があるとき、ホッとします。針を深く刺す場合には、骨を目標にすることが多いのです。「骨に当たったら痛いんでしょう?」とたいてい聞かれますが、針が骨に当たって痛いということはありません(単に当たっただけでは、という意味です)。

私たちの体には痛みを感じるセンサー(痛点)がありまして、痛点や神経に当たらない限り普通は痛くありません。ルパン三世で赤外線の防犯装置が付いているところに忍び込むシーンがあります。赤外線が見えるメガネをかけて、体をよじって赤外線を避けながら先に進んでいきます。針の感触を嫌うお客さんに針をする場合は、そんな気分です。神経に触らないようにソーッと刺していきます。

さて、刺激が神経に伝わって電気信号となって脳に伝わるわけですが、「痛い!」と感じるまでには更にワンクッションあるようです。いろんな神経が絡み合って、この痛みの刺激を強めたり弱めたりしているようなのです。これは、コンピュータが演算処理するようなイメージだと思います。つまりソフト処理されているんです。

こんなことを考えたのは線維筋痛症という病気を「本当は怖い家庭の医学(4月15日放送分)」で見たからです。この病気はからだのあちこちにものすごい激痛を感じますが、痛いところを調べても何も異常が見つからない。

原因もはっきりわかってはいないのですが、怪我による激しい痛みや手術などがきっかけでソフトが壊れたのではないか?という解釈が有力なようです。銀行のオンライン・システムで流行っているプログラム・ミスのようなものではないかと。(これは私流の乱暴な例えなので、異論は多々あろうかと思いますが)

物の見え方というのも、上下左右逆に網膜には映っているそうですね。それを戻しているのは脳の中の画像処理プログラムによるものです。それよりも何よりも、神経ってデジタルの電気信号なんですよね。それをプログラム処理したものが、意識というモニターに表示される。

「機械はデジタル、でも人間はアナログだから…」なんて言葉をよく耳にするんですが、本当にそうかな?アナログの情報をデジタル化して内部処理しているという点で、機械と人間は似ているんじゃないかな。

…と思ってしまうのは、元デジタル技術者の偏見でしょうか?

《つづく》