科学に興味を持ち始めたダライ・ラマに、あるアメリカ人女性がした忠告は私も面白いと思いました。「科学が宗教を殺す」ということ。神は死んだそうですが、殺したのは科学なのかな…と私も思っています。

ただ、だからと言って科学に近づくのを恐れてはいけないと思います。科学をこれ以上野放し状態にしておくことは全人類にとっても危機です。「科学は人類をも殺す」だろうから。ダライ・ラマの勇気をたたえたいです。

私見ですが、科学とは客観性(あるいは再現性)のある事象から帰納的に真理を探究していくもの。宗教とは、人を幸せにする真理を示すもの(あるいは探究すべきもの)。そして真理とは絶対普遍のものなどあり得なくて、時代とともにあるいは人とともに相対的にあるものです。昔と現代で違うし、科学者と宗教者でも違う。だからこそ、歴史を振り返り、いろいろな分野の人と影響を及ぼしあいながら、永遠に追及し続けなければいけない。

さてさて、先が楽しみです。

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ダライ・ラマ科学への旅―原子の中の宇宙