不妊でお悩みの方は結構多いと思います。少子化問題のさなか、「今の人は子供を作らない」と嫌味を言われる!本当は欲しくて欲しくてたまらないのに!ただできないだけなのに!という切実な声を聞いたことがあります。

昔は子だくさんのイメージがあって、みんな子供をバンバン産んだと思っていましたが、話を聞いてみると不妊の悩みは昔からありました。

前回、オスのメリット・メスのメリットを書きました。結婚は所有概念から始まったとすれば、母系社会でずーっといくのが自然なのですが、洋の東西を問わず普通は父系社会に落ち着きます。これは男の腕力のせいにばかりされている気がするのですが、不妊も理由の一つだと思います。というより、こちらが本当の理由なんじゃないかと私は思っています。

家が順調に発展していって財産がどんどん増えた場合、必ず後継ぎ問題が起こります。直系が不妊になると、傍系が騒ぎ出して骨肉の争いになります。これを防ぐ選択肢の一つが一夫多妻制です。男の方に健康上の問題がなければ子供の同時生産が可能ですから、(その人を父とする)子供は爆発的に増やすことができます。一妻多夫制では腹が一つですから、(その人を母とする)子供を激増させることはできません。もっとも代理母が可能になれば別ですが。

家を絶対に絶やさないためには、大奥のようなシステムが必要なのです。以前、妾が公認されていたのも、それが理由だと思います。皇室では昭和天皇がこれを止められたと聞いています。時代にも合致した英断だと思いますが、これによって後継者問題が起きることは必至となったのです。徳川家でさえ直系に後継者が恵まれないことが何度も起きているのですから。

ですから、一夫恐妻制の一般庶民ではなおさら断絶の危機は起こるはずです。家の歴史の存続にこだわるということは、世界の歴史を知らないということに他ならないのですね。

と、長男としてのプレッシャーを跳ね返しておいて…。それより、骨肉の争いが起こるほどの財産を作らないとな…

《最初から読む》