安楽行品第十四では文殊菩薩の質問に答えて、後の世に法華経を説く者が心がけることを述べています。昔の人が説教したこととかなり重なるように思います。

忍耐し、しなやかに語り、粗暴になるな。目に映るものにとらわれずに、空にも有にもとらわれるな。三乗の別があってもその優劣にとらわれるな。相手が男であれ女であれ区別はするな。

世俗の力(国王,王子,大臣など)、異教徒、文芸や歌を楽しむ者、賭け事や遊興にふける者、三蔵に貪著(とんじゃく)する学者、破戒の比丘、名前だけの阿羅漢には近づくな。女には気をつけろ。

美しい衣服、やわらかな寝具、貴重な医薬を求めるな。

嫉妬、へつらい、あざむき、怒り、おごり、いつわりの心を持つな。他人を侮って、長所短所を述べるな。説法のときは、常に柔和にして、忍び、慈しみ、心をゆるめるな。

人々が教えを聞かず心閉ざしているとしても、自分が無上の悟りに達した時は人々を導いていこうと願いなさい。

法華経は、帝王の象徴となる宝玉のようなものである。諸国を平定するときに戦功があった将兵に恩賞を与えるとしても、最後までこれだけは与えない。それを今、伝える。

従地涌出品第十五では、地面の下からたくさんの菩薩さまが湧き出てきます。釈迦が「私が亡くなってからもこの菩薩たちが教えを広めてくれるから大丈夫だ!」と言います。それに対して弥勒菩薩が冷静な質問をします。「釈迦が教えを広めてから40年くらいしか経っていないのにどうしてこんなに多くの菩薩を教化できたのですか?」

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