五木寛之の21世紀仏教への旅(アメリカ編)のなかで、洋上からニューヨークの街を見て9.11についてコメントするシーンがありました。「それまでは、自分たちの国は素晴らしいという自負がアメリカ人にはあっただろうし、世界の人々が羨んでいるだろうという思いがあったと思う。あの事件で、自分たちのことを憎んでいる人たちもいるのだということを思い知らされた。」というようなことが語られていました。それによってアメリカ人のストレスが増え、その救いを求めた人が座禅とか・・・というふうに仏教につながっていくわけですが。

「自分たちの国は素晴らしい」という思い込みが、自分たちの民主主義を広めることが世界の人々を救うことになるという思い込みにつながり、「正義」の名の下に戦争をしてきたのだと思います。原爆を軍事基地ではない街に住む民間人(非戦闘員)に対して2度も用いた唯一の国です。そして、そのおかげで日本は民主化した!と言ってのける。日本は、ヨーロッパを手本に民主主義を導入し、大正デモクラシーという国内での民主主義の盛り上がりが既にあったにもかかわらず。

日本は、久間さんのような人が出てくるほどものわかりのいい国というか都合のいい国なのですが、アメリカで「(上記のような事柄の頭の整理として)9.11はしようがなかった」と発言する政治家がいたらどうなっていたでしょうか。政治生命どころか、本当の命を奪われることでしょう。

従軍慰安婦の決議もありましたが、戦後沖縄での米兵によるレイプが頻発していたとも聞きます。悪いことをしたら謝らなければいけないのは当然ですが、「あなたに言われる筋合いは・・・」という気持ちです。ただ自分たちの悲しみに浸るだけでなく、自分たちに非はなかったのか?という気持ちで、明日という日を迎えて欲しいと思います。

ニューヨークで亡くなった方々、イラクその他で戦争のために亡くなった方々。亡くならなくても良かった方々です。心より冥福をお祈りいたします。仏教徒なので仏式にて、合掌。


「うろん語」第五巻
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その2:「無っとする・無かつく」

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