宗教とはサンタクロースのようなものではないかとふと思いました(季節外れですが)。本当にいるかどうかわからないけれども、信じれば夢を持っていられて、クリスマスまで良い子にしていられる。朝、枕元に置いてあるプレゼントは本当はパパとママからもらった贈り物なのに、何か特別な物に思える。

NHKの21世紀仏教への旅という番組を見ました。五木寛之さんが出ているやつです。ブータン編でした。ブータンの人たちは仏教をみんな深く信仰していて、国の政策もこれに基づいているようでした。まるで聖徳太子の時代!と思いました。

しかし、人々は限りない欲望を持つことを畏れていて、非常に謙虚です。だから、貧しくても幸せなのです。輪廻転生を信じていて、徳を積み、来世ではもっと立派な人間に生まれ変わろうとする。地球上の生き物すべてを兄弟のように思い、大切にする。昔の日本人が持っていたほのぼのとした良さは、仏教に由来していたのだということが証明された気がしました。

仏教の教え、例えば輪廻転生は真理であると仏教では教えることでしょう。でも現代では「真理というなら科学的に証明してみろ!」ということに必ずなります。でも、科学が立ち入れない領域が宗教の領域なので、科学的に証明はできないのです。としたら、真理とは言わないで「釈迦の提唱した仮説」と捉えればいいと思います。

この仮説を信じれば、ストレスが緩和され、幸せを感じることができ、地球のみんなのために良いことをしようという気持ちになる。それだけで十分に価値があるのではないかと思うのです。ことの真偽は問題ではない。第一、問題にしたところで、科学では真か偽か証明できないのですから、問題にするだけ野暮な話です。

そんな「おはなし」という捉え方をして、仏教を少し勉強してみようかと思っています。他の宗教がダメというわけではありません。とりあえず、隗より始めよということです。

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