8月は終戦記念日ということで、戦争について考えることになります。今年はNHKで憲法9条を取り上げて討論する番組がありました。番組は少ししか見ませんでしたが、WEBやFAXで受け付けた放送前のアンケートには参加しました。

最近は専門家の意見にはあまり興味がなくなってしまって、一般市民の考えのほうが気になります。国を動かすのは世論ですから。放送前にNHKが行った世論調査では、憲法改正賛成は多数でしたが、憲法9条についてはそのままのほうが良いという意見が多いようでした。

私見を述べますと、憲法9条は自衛隊が発足した時点で現状に合わない内容になっていますから、現状に合った内容に変えるべきだと思っています。集団的自衛権という終戦当時は存在しなかった概念も問題になっていますから、これについての答えも明記すべきだと思います。そうしないと、「現状と一致しない憲法に効力はあるのか?」という議論がいずれ起こってくるのではないかと心配しています。

大日本帝国で軍隊に歯止めが利かなくなったのは統帥権干犯問題が原因のひとつとされています。これは、元を正せば明治憲法の欠陥です。明治憲法の施行から40年で、この欠陥が表面化しています。自衛隊の存在は、憲法9条と明らかに矛盾しています。だから、これはもう既に憲法9条が機能不全を起こしているのではないのかなと思っています。

でも憲法9条は、「現状はどうあれ絶対ダメ!」という子供が駄々をこねているような猛烈なところがあります。また、番組の中である外国人が「日本は憲法9条をなかなかうまく外交に利用しているんじゃないの」といった意見を述べているのを見て、こういう憲法もありなのかな…と思い始めました。

今年は、そんな終戦記念日でした。

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