先日Cozyさんが天皇の戦争責任についてコメントしていました。わたしの場合は、敗戦後に陛下がマッカーサーに対して、自分の身はどうなってもいいから国民を助けて欲しい、と言われたと聞き、ずっと尊敬しておりました。戦争の責任は自分にあることを認めた上での発言だと思ったからです。ところが、先日発見された富田メモによると、どうもA級戦犯とされた人たちを責める気持ちをお持ちだったようです。それを知ってから、わたしの昭和天皇に対する気持ちも、微妙に変わりました。

 当時は、戦争は国と国との決闘という感覚だったと思います。だから、対戦国に対しての戦争責任というのも、わたしはいまひとつピンときません。ただ、そういうものがあるならあるでいいんですが、それを背負うのは日本という国家であって、例えば東条某という個人ではないのではないか?国を敗戦に導いた責任というのはあるでしょうが、それは国内で問題にすることであって、外国からとやかく言われることではないのではないか?と思っています。

 話は変わって国内の裁判で、「〇〇原告団の勝訴!国に賠償命令」ということがよく聞かれます。むしろ、こういう国内のことこそ、個人のレベルまで責任を追求して欲しいと思っています。そういうことをした担当者が誰だったかを調べて、その人に賠償させる。退職しているなら年金を没収する。役人のミスを贖うのに、何でわたしの税金が使われるんだ?と思いませんか!?

 国の責任を個人まで帰結させるのならさせる、させないのならさせない、どっちかに統一しないとおかしいのではないでしょうか?

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