相変わらず、就職したがらない大学生たちの対談を、テープ起こししています。小説を書きたいとか、バンドをやりたいとかで、バイトくらいならしてもいいけど、就職は嫌だ、という傾向が強いようでした。だから、公務員がいいかな・・・と。公務員は忙しくないし、定時に帰れるから好きなことができるし、それでいて安定しているし・・・。

 「今の若い者は!」と思いながらずっと聞いていたのですが、ここに来て「おやっ!」と思いました。わたしたちも大学時代は、そういうイメージを持っていたし、同じことを考えていたからです。公務員といってもいろいろあるし、みんながみんなそうではないでしょうが、そういう職場が確かにあるのは事実のようです。

 ただ、きれいごとを言うわけでは有りませんが、わたしが公務員を志望しなかったのもそういうイメージがあったからなのです。楽をしようと思って就く仕事にやりがいを感じるわけがないし、楽な仕事がいつまでも安定しているわけがない、と思ったのです。

 そして最近の公務員は、少なくとも周囲からの批判が強いという点で楽ではなくなってきているし、優遇されてきたことがどんどん削られていく傾向がある点で安定しているとは言えなくなってきています。それは、自然の摂理というか、世の中の道理だとわたしは思いますが。

 この傾向は、もう少し続くべきだと思います。そして、公務員は楽で安定しているというイメージがなくなったとき、公務員に最も適した人材だけが公務員を志望するようになるからです。

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