あれは、7月の中ごろだったと思います。ある家にメールを入れて門を出ようとすると、ランドセルを背負った少年が入ってきました。「何してんの?ここ俺んちなんだけど」といきなり職務質問されてしまいました。
「これ、手紙を配達してます。」
「ふーん」と、いかにも不審そう。
「怪しい者ではございません。」と、頭を下げて立ち去りました。後ろで「ハハハ」と少年の声がしました。

 それから数日後、別の家で、またその少年に出会いました。少年は、友達の家に遊びに来ていたのでした。
「これからどこ行くの?」
「あっち」
「いつまでやるの?今週だけ?」
「いや、ずーっとだよ。」
「ええ!雪が降っても?」
頭のいい少年です。小学生なのに、なかなかいい質問をします。私も、真剣に考えてしまいました。
「うん。多分ね。嫌になんなかったらね。」
「ふーん。怪しいなあ。」
「ナニ!?」
「ハハハ。うそうそ!」

 その後も、何回か少年とバッタリ出会います。その度に「あー」と大きな声で指差してくれます。