動物ものの番組で、樹上に生活する猿の生態が紹介されていました。この猿は、高い木が並んでいる森の中で木から木へ飛び移って移動しながら生活し、木の下に下りてくることは殆どないらしいのです。襲ってくる敵がいないという点で非常に安全なわけですが、生活は大変不便なことになります。ところが、この猿たちはお互いに協力し合い、規律を守って仲良く生活しています。そうしないと不便な樹上生活は続かないのでしょう。

 ということは、困難は人間をもいい方向に変えてくれるのでは?と思いました。ここのところ大雪で道が狭くなってしまい、車の運転はなかなか大変です。私はいつもとても意地悪な運転をする(毎日反省しているが、なかなか直らない)のですが、雪道になると変わります。そうしないとすぐに接触事故を起こしかねないですから。

 日経新聞の「やさしい経済学−ニッポンの企業家」の欄が、新年から松下幸之助になりました。彼の言として、次のようなことが書かれています。「災害をうけなかった町は、発展しない。恵まれたと思ったところは、実は恵まれていない。悲惨な状態につきおとされた町が、十年後には数倍の発展をする。これは何が原因であるか。私は心の問題だと思う。」

 本当にそうなのか・・・?降り積もった雪は、私たちの心をも真っ白に、きれいに、してくれるのだろうか?そして春になって暖かくなると、私たちのきれいな心もあとかたもなく・・・???

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