トトガノート

「鍼灸治療室.トガシ」と「公文式小林教室」と「その他もろもろ」の情報を載せています。

2017年04月




60代男性のクライアント。左膝が痛い。しかし、触察した感じでは関節が悪いようには思えなかった。よくありがちな変形性膝関節症とは何かが違う。いずれにしても関節をよく診てもらうことは必要だ。レントゲン等を使った医師による診断が。

「整形外科で診てもらって下さい。」とお願いしても、接骨院や整体に行ってしまう人が意外に多い。医師とそれ以外の医業類似業者(私も含まれる)とでは、特に法律上、雲泥の差があるのだが、それを知らない人が多いのだ。

医師は最新の検査技術や治療方法を行うことが認められている。だから、私のクライアントがその恩恵に浴することを妨げてはいけない。そういう医師側の法的な優位性を差し引いても、私たちは医師とは違う方法論で診て治すわけだから、違う意見にも耳を傾けるべきである。なぜなら、それが私のクライアントの利益につながるから。

さて、このクライアントは整形外科でレントゲンを撮ってもらい、軟骨が減ってますね〜という診断を受け、ヒアルロン酸の注射もしてもらってきた。幾分楽になったような気はするが、訴える症状は全く変わらなかった。

ゴルフをすると痛くなる。ハーフ回って休憩して、椅子から立ち上がる時に痛み始める。しかし、歩き始めるとそうでもない。帰宅後、椅子に座って立ち上がる時に痛い。自動車から降りる時に痛い。正座もできない。ある程度まで膝を曲げると痛くてそれ以上曲げられない。

本人の分析はこうだ。ゴルフをすると痛くなるのだから、ゴルフの動作に原因があるのは明らかだ。スイングの後半は左に重心が移動するから、膝に負担がかかる。それで関節が痛んでいるのだ。

でも、私には引っ掛かることが一つあった。膝が痛むのが階段を上る時だということ。下る時は何ともないと言う。

膝関節を傷めている人は、大抵これと反対である。上る時は痛くない。下る時は衝撃が膝にもろにかかるから激痛が走る。だから、階段を後ろ向きに降りる人もいるくらいだ。

膝関節は悪くないんじゃないか?

カルテを遡ってみると、2カ月前から、ずっと左大腿の後方内側が黄色にマークされている。半腱様筋と半膜様筋が硬いのだ。この2つの筋肉は股関節伸展の主動作筋であるが、内旋の副動作筋でもある。

痛みを発しているのがこの2筋だとすると、階段を上る時(股関節伸展動作)に痛むのは説明がつく。

私は20年ほど前に少しだけやっていたゴルフを思い出して、スイングの格好を何度か繰り返してみた。左大腿に意識を集中して、スイング。また、スイング。

左大腿が内旋している。これだ!これに違いない。

スイングの最後にしっかりと腰を回転させるために、左大腿の2筋に力が入るのだ。だから、ゴルフをするたびに痛くなることも説明がつく。

しかしながら、幸か不幸か、それに気づいたのは初冬。ゴルフはシーズンオフとなった。そして、ひと冬休んだ今では、膝の痛みはすっかり消えている。

これからの変化に注意していこう。

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このクライアントとは長いお付き合い。初めて伺ったのは開業して間もない頃。その後、半年ばかりご無沙汰だったから、リピートはないと諦めていた。

その頃は還暦の少し手前で、バリバリ仕事をされていた。何十年と片頭痛に悩まされていて、市販の頭痛薬は常にハンドバッグに入れているとおっしゃっていた。

医学書では、頭痛は片頭痛・緊張型頭痛・群発型頭痛にきれいに分類され、それぞれに適切な対処法がある。私も開業当時はそういう知識を武装してクライアントに接していた。しかし、今どきその程度の知識を持たない一般人はむしろ珍しい。受け売りの知識をひけらかしてもウンザリされるだけ。自分の苦痛を和らげてくれるのでなければ、医学知識も何の値打もない。

市販の薬ではなく主治医に相談しては?という私の言葉は一蹴された。
「痛くなる前に飲むと効く薬なんて出してよこすんだよ。笑っちゃうよ。薬が本当に効いて痛くならなかったのか、痛くなると思ったけど勘が外れただけなのか、わかんないじゃない?それ考えてると頭痛くなる(笑)」
言われてみれば確かに可笑しい。私も一緒に笑った。

無の境地で触察。首のコリがひどかった。一度の施術では少しの変化しか起こらない。慢性的なコリなのだ。週に一度のペースで、数カ月治療を続けていただいた。

全く指が入らないほどコチコチだった首が、治療を重ねるごとに少しずつ柔らかくなっていった。翌週に伺うと必ずコチコチに戻っていた首が、それほど硬くない日もあるようになってきた。

ある日、「最近、頭痛薬飲んでないんだよ。飲まなくても済むようになってきた。」と嬉しそうに言って下さった。私も嬉しかった。

それから、不定期の治療に移行し、十数年のお付き合いになる。

家業の商売を継いで営業として働いてきた。彼女の営業力は素晴らしい。さらに業種を少しずつ変化させながら、激動の時代を乗り越えてきた。時代を読む力も抜群なのである。

それでも、今回の年末年始は、彼女にしては珍しく仕事の予定を余り入れなかった。
「忙しい日が続いたから、しっかり休もうかと思ってね。」と言っていたのが、師走の30日。
「ずっと家にいるつもりだから、年明け早々またお願いするかもしれないよ。そん時はよろしく。」
と言われ、「良いお年を」と挨拶してきた。

ところが、次に電話を頂いたのは、何と翌日。大晦日の朝だった。「朝起きたら頭がツカツカする」と彼女は表現した。なり始めの施術が肝心と、すぐに電話して下さった。有り難いことである。

首と肩のコリを入念にほぐし、鍼と灸も行った。「昨日は鍼も灸もしませんでしたからね…」と言って、再び「良いお年を」と別れの挨拶。

その次に電話を頂いたのは3日の朝。大晦日は、施術後は調子が良かったが夕方から痛くなり、元日は一日中眠っていた。2日はとても調子が良く、一日中仕事をした。3日の今朝は、またツカツカが再発。割れるように痛い時もある。

首と肩は確かに硬くなっていたが、すぐにほぐれた。ほぐれた後も優しく施術を続けながら、私はあることを思い出した。
「人によって違うんですが、片頭痛は休みの日になると頭痛になって仕事の日には治るという人もいます。○○さんの場合はどうでしたか?」
「そうだね。そういう傾向はあったね…」

そこで…

「しかし、お店をここまで大きくするには大変な苦労があったでしょうね。休むと頭痛になるから、休まず仕事されたんじゃないですか?」と言って、私は彼女の若い頃の苦労などを尋ねてみた。

昔は店が小さかったから来るお客も少ないので、周辺の地域を回って歩いた。山奥の小さな村にも行った。最初は仕事は貰えなくても、定期的に足を運んでいると、待っていてくれる人が出てきた。そこには今でも、どんなに忙しくても行くようにしている。

お風呂に入る時は脱いだ服をきちんとたたんで置くように躾けられていたので温泉でもそうしていたら、思わぬ良縁に恵まれた。後に姑となる人が見ていたのだ。旦那さんはとても優しい人だった。しかも、先見の明のある人だった。今まで取り扱っていた商品に見切りをつけて、別な商品に切り替えたのは旦那さんだった。

あるお客さん、老婆との出会い。自分の好きなものにお金をかける代わりに、他のものには一切お金をかけないという豊かな生き方。

「思えば、いろんな出会いに恵まれた。私は運が良いのよ。」
彼女は自分の仕事と人生を振り返って、そう総括した。

その言葉を口にした頃には、彼女は疲れを癒すために何日も横たわる人では無くなっていた。営業ウーマンとしての目の輝きを取り戻していた。

その後に彼女から電話を頂いたのは、一週間後のことだった。私は経過が気になっていた。
「あれから、いかがでしたか?」
「お陰様で、あれから絶好調で毎日働きました。今日も調子は良いんだけど、明日から出かけるから一回メンテナンスしとこうかと思って。」

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詳細は以下のとおりです。

触察料:
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・鍼50円(1本)、灸50円(1壮)

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・百円未満は切り捨てとします

※今回反映します消費者物価指数(生鮮食品を除く)99.6は2月のものです。
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・4月の価格

バス停から公文国際学園の正門までの間、林の中の小道のような所を通ります。林の中には、いつもリスを見つけることができます。

入学式の朝もいました。写真を撮ってやろうとスマホを構えると、次女がズカズカと林の中に入っていってリスを逃がしてしまいました。その日一日、次女の名前は「リスを逃がした女」になりました。




学園に残った長女。入学後最初の日曜日にリスの写真を送ってくれました。

公文国際学園の入学式に行ってまいりました!




横浜の丘の上にある学園なので、バスを降りては小道を登り、校舎に入っても階段の上り下り、寮に荷物を運ぶにも階段を・・・と、とっても鍛えられました。

校長先生の式辞は「今、世界は大変な問題を抱えています。」で始まりました。これが冗談に聞こえない雰囲気、私たちが何とかしなければいけないと感じる雰囲気が会場にはありました。良い学校だと思いました。

夜行バスでの旅。今回はWILLER EXPRESSを利用させていただいた。




顔を隠せるシート。「ベビーカーみたい!」と娘が喜んだ。ベビーカーに乗ってた頃は本当にかわいかったんだが…。

同じ区間でも、途中休憩する場所はバス会社によって微妙に違う。那須高原SAは初めてだった。30分も休憩するの?とびっくりしたのだが、降りてみて納得。売店や食堂が24時間営業なのだ。

しかも、とても綺麗。トイレから戻って、スマホを持って再び外に出た。写真を撮って、寝ている妻や娘たちに見せてやろうと思った。






「毎日のように接骨院に行っているんですが、良くならなくて。」と、若い女性の声で電話を頂いた。よくよく聞いたら、腰痛を訴えているのは中学生のお子さんだった。

接骨院が終わる時間に間に合わせたり、ギリギリ間に合ったかと思うとその後の待ち時間が長かったり…。毎日だとしたら、かなり大変な話だ。
「いつくらいからですか?」と尋ねてみると、
「一か月以上経つかもしれませんね。」

仕事から急いで帰って来て接骨院に連れて行っているが、お母さんの方もお子さんの方も時間的にギリギリなので自宅での治療を考えてみたということだった。
「少し遅い時間でも大丈夫なのですか?」と尋ねられたので、
「大丈夫ですよ。何時頃が良いですか?」と答えた。

「8時とかでも?」と、申し訳なさそうに。
「ええ。大丈夫です。10時からとか言われることも有りますよ。」

お子さんは走り高跳びの選手。大会が近いので、練習にも力が入る。腰に痛みを感じているが、休むことはできない。周囲の目があって休みにくいというよりは、自分が休みたくない。

腰の筋肉を触察してみる。少し硬めと言えなくもないが、しなやかで弾力があり、それほど状態が悪いようには思えなかった。

「痛いかな?」親指で強く押して、尋ねてみた。
「はい。」と答えた。でも、淡々としている。シャイな年頃だろうから、我慢しているのか?

押した時の圧痛は、私にとっては最も重要な診断ポイントだ。「痛いですか?」と言葉で尋ねたりはするが、実際は尋ねなくとも体の反応で大体わかる。痛みは、それほどではないと判断した。

「痛みにもいろいろあって、例えば『イタキモチイイ』という言葉があるんだよね。痛いんだけど気持ちいいという状態だね。」
「・・・」

「それから、『押すのやめて下さい!』という状態。押されれば押されるほど痛みが強くなってくるような場合。もっとひどいと『触るな!コノヤロー!』というのもあるんだけど、どれかな?」
「・・・」

「わかんない?でも、『触るな!コノヤロー!』じゃないよね?さっきからずっと黙って押されているから・・・」
「(笑)」

「イタキモ?」
「はい(笑)」

そこで、私は無痛症の話をしてみた。
世の中には全く痛みを感じない人がいる。一見とても幸せなことのように思うかもしれない。しかし、実はとても困ったことなのだ。自分の体が傷ついていることに気づかない。関節がボロボロになるまで走ったり跳ねたりしてしまう。怪我をしても平気。赤ちゃんだったら指を食べてしまったり、目をこすってるうちに失明してしまったり・・・。

「痛いってありがたいことだよね?」と言うと、うつ伏せのまま頷いた。

痛みっていうのは大事なメッセージなんだ。何か悪いことが起きているかもしれませんよというサイン。でも、「痛み=悪いこと」ではない。そこは大事なポイント。

そこで今度はこんな話をしてみた。どこかで聞いたことがあるような無いような…そんな話。

ある王様が戦争をしていました。そこに伝令が駆けつけてきました。「王様、大変です!敵の猛攻撃に遭って我が軍に大きな被害が出ています!」王様はこの報せに怒って、この伝令を斬り捨ててしまいましたとさ。

「痛み」は、この伝令の役割。敵ではなくて大切な味方。しかも、手遅れにならないように、「ひょっとしたらもう少しでヤバいかもしれませんよ」と前もって報せてくれたりする。こんな大切な味方を敵(悪いこと)扱いしたら、バカな王様みたいなことになる。

「押すとイタキモな段階の痛みは、前もって気を利かせて駆けつけてくれた伝令だね。だから、無視していいわけでもないけど、そんなに深刻に考えなくてもいい。」

そんな話をしながらの触察を終えて、鍼と灸。皮内鍼も貼っておいた。

「どうなの?楽になったの?」というお母さんの問いに、シャイな中学生はコクリと頷いた。

その後、このお母さんから電話をいただいたのは一カ月も後のことだった。経過が気になっていたので、着信を見てドキドキした。
「実は、あれから接骨院にもどこにも行ってないんですよ。全く痛くないと言う訳ではないんでしょうけど、支障なく練習ができてます。今度の土日が大会なので、今日は直前のメンテナンスということでお願いしたいんですが・・・。また、8時からで、お願いできますか?」

「はい、もちろんです!」
私はホッとして答えた。

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