中高一貫校の適性検査には、「小学校で習っていないのでは?」と思ってしまう問題が数多く出題されています。この増刊号でこれまで取り上げた問題の中にもいくつかありました。「小学校で習っていない内容は出ない」という基本的な前提はありますが、たとえ習っていなくとも「小学校で習った知識で解ける内容なら出題される」ということなのです。
岡山県立岡山大安寺中等教育学校では、累乗の問題が出題されています。
(1)「こんなの習ってないよ!」と諦めてしまったら、この問題は一問も解けなくなってしまいます。例を参考にして「2を5回かける」ことだと考えて、解いていかなければなりません。
2×2×2×2×2=32
答えは32です。習っていなくても解くことはできますね。
でも、このまま累乗の問題を続けては、とっても難しい問題になってしまうので、一の位の数字だけに注目しています。
(2)
5^2=25、5^3=125、5^4=625、となりますから、5は何回掛けても一の位は「5」です。
(3)
4^2=16、4^3=64、4^4=256、…と、ここまで見てくると分かると思いますが、一の位だけだったら計算するのはとっても楽です。しかも、4の場合は「6」と「4」を交互に繰り返すようです。つまり、4^5→4、4^6→6、4^7→4、4^8→6、4^9→4、4^10→6。答えは「6」です。
(4)
最初の方を計算してみましょう。
8^2→4、8^3→2、8^4→6、8^5→8。ここで「8」に戻りましたから、あとは8, 4, 2, 6, 8, 4, 2, 6, …を繰り返していくことが分かります。つまり、8^50→4。答えは「4」です。
一の位の数字だけに注目すると、ずいぶん簡単になるんですね。
ここで、他の数字についてもまとめてみましょう。
2:2^2→4、2^3→8、2^4→6、2^5→2。なので、2, 4, 8, 6, 2…。
3:3^2→9、3^3→7、3^4→1、3^5→3。なので、3, 9, 7, 1, 3…。
4:4^2→6、4^3→4。なので、4, 6, 4…。
5:5^2→5。なので、5, 5…。
6:6^2→6。なので、6, 6…。
7:7^2→9、7^3→3、7^4→1、7^5→7。なので、7, 9, 3, 1, 7…。
8:8^2→4、8^3→2、8^4→6、8^5→8。なので、8, 4, 2, 6, 8…。
9:9^2→1、9^3→9。なので、9, 1, 9…。
10:10^2→0。なので、0, 0…。
11:11^2→1。なので、1, 1…。
これより大きい整数については、一の位が同じであれば同じになります。つまり、12, 22, 32, 42…は2と同じ、13, 23, 33, 43…は3と同じ、という具合です。
(5)
上にまとめたものを見れば、いくらでも答えることができます。でも、うっかり3^3なんて答えないこと。□と△には同じ数は入りません。□に入る数字は、3, 7, 13, 17, 23, 27, 33, 37…。
3と7で考えてみますと、
□が3の場合:3^7、3^11、3^15、3^19、3^23、3^27、…。
□が7の場合:7^5、7^9、7^13、7^17、7^21、7^25、…。
答えは無限にありますが、その中から1組だけ答えればOKです。
(6)
□が同じ数字で、□^△と□^(△+2)の一の位の数字が同じになる場合を見つけなければなりません。左の表を見てすぐに思いつくのは、□が5, 6, 10, 11…の場合です。△はいくつであっても同じ数になります。□が4, 9, 14, 19…の場合も、二つの数字が交互に現われますから、△はいくつであっても構いません。
ですから答えの例としては、
4^2, 4^3, 4^5, 4^6, 4^7, 4^8, 4^9, 4^10,…
5^2, 5^3, 5^4, 5^6, 5^7, 5^8, 5^9, 5^10,…
6^2, 6^3, 6^4, 6^5, 6^7, 6^8, 6^9, 6^10,…
9^2, 9^3, 9^4, 9^5, 9^6, 9^7, 9^8, 6^10,…
これらの中から1組だけ答えればOKです。
中高一貫校の適性検査では習っていない範囲から敢えて出題し、問題の中の説明文を読みながら理解し、その次の問題に答えていくという形式を取ることが多いです。それは、単に知識が多い生徒を求めてはいないからです。
「あれ?これ習ってないや!」と気づいても諦めない生徒、問題文の中の簡単な説明で理解できる生徒、誰かから教わらなくても自分で道を切り拓いて進んでいける生徒を求めているからです。社会に出てから必要とされるのは、そういう能力です。真の意味での「生きる力」です。
公文式の「学年を越えた学習」は、この力を養うことが目的です。習っていないことに果敢に挑戦すること、プリントの中のヒントを手掛かりに自分で考え理解していくこと、誰かに教わらなくても自分の力で壁を乗り越えていくこと。公文式の教室が最も力を入れているポイントは、正にココなのです。
参考文献:2014年度受検用公立中高一貫校適性検査問題集(みくに出版)(小林教室収蔵)
《教室だより増刊号インデックス》
※今後、大学入試や高校入試で一般的になると思われる合科目型・総合型の出題形式が公立中高一貫校適性検査では既に一般的になっているため、この増刊号で取り上げています。ですから、中高一貫校だけを特に意識しているわけではありません。もちろん、だからと言って東桜学館を全く意識していないわけでもありません(笑)。
◆◆◆公文式小林教室◆山形県東根市◆◆◆
岡山県立岡山大安寺中等教育学校では、累乗の問題が出題されています。
(1)「こんなの習ってないよ!」と諦めてしまったら、この問題は一問も解けなくなってしまいます。例を参考にして「2を5回かける」ことだと考えて、解いていかなければなりません。
2×2×2×2×2=32
答えは32です。習っていなくても解くことはできますね。
でも、このまま累乗の問題を続けては、とっても難しい問題になってしまうので、一の位の数字だけに注目しています。
(2)
5^2=25、5^3=125、5^4=625、となりますから、5は何回掛けても一の位は「5」です。
(3)
4^2=16、4^3=64、4^4=256、…と、ここまで見てくると分かると思いますが、一の位だけだったら計算するのはとっても楽です。しかも、4の場合は「6」と「4」を交互に繰り返すようです。つまり、4^5→4、4^6→6、4^7→4、4^8→6、4^9→4、4^10→6。答えは「6」です。
(4)
最初の方を計算してみましょう。
8^2→4、8^3→2、8^4→6、8^5→8。ここで「8」に戻りましたから、あとは8, 4, 2, 6, 8, 4, 2, 6, …を繰り返していくことが分かります。つまり、8^50→4。答えは「4」です。
一の位の数字だけに注目すると、ずいぶん簡単になるんですね。
ここで、他の数字についてもまとめてみましょう。
2:2^2→4、2^3→8、2^4→6、2^5→2。なので、2, 4, 8, 6, 2…。
3:3^2→9、3^3→7、3^4→1、3^5→3。なので、3, 9, 7, 1, 3…。
4:4^2→6、4^3→4。なので、4, 6, 4…。
5:5^2→5。なので、5, 5…。
6:6^2→6。なので、6, 6…。
7:7^2→9、7^3→3、7^4→1、7^5→7。なので、7, 9, 3, 1, 7…。
8:8^2→4、8^3→2、8^4→6、8^5→8。なので、8, 4, 2, 6, 8…。
9:9^2→1、9^3→9。なので、9, 1, 9…。
10:10^2→0。なので、0, 0…。
11:11^2→1。なので、1, 1…。
これより大きい整数については、一の位が同じであれば同じになります。つまり、12, 22, 32, 42…は2と同じ、13, 23, 33, 43…は3と同じ、という具合です。
(5)
上にまとめたものを見れば、いくらでも答えることができます。でも、うっかり3^3なんて答えないこと。□と△には同じ数は入りません。□に入る数字は、3, 7, 13, 17, 23, 27, 33, 37…。
3と7で考えてみますと、
□が3の場合:3^7、3^11、3^15、3^19、3^23、3^27、…。
□が7の場合:7^5、7^9、7^13、7^17、7^21、7^25、…。
答えは無限にありますが、その中から1組だけ答えればOKです。
(6)
□が同じ数字で、□^△と□^(△+2)の一の位の数字が同じになる場合を見つけなければなりません。左の表を見てすぐに思いつくのは、□が5, 6, 10, 11…の場合です。△はいくつであっても同じ数になります。□が4, 9, 14, 19…の場合も、二つの数字が交互に現われますから、△はいくつであっても構いません。
ですから答えの例としては、
4^2, 4^3, 4^5, 4^6, 4^7, 4^8, 4^9, 4^10,…
5^2, 5^3, 5^4, 5^6, 5^7, 5^8, 5^9, 5^10,…
6^2, 6^3, 6^4, 6^5, 6^7, 6^8, 6^9, 6^10,…
9^2, 9^3, 9^4, 9^5, 9^6, 9^7, 9^8, 6^10,…
これらの中から1組だけ答えればOKです。
中高一貫校の適性検査では習っていない範囲から敢えて出題し、問題の中の説明文を読みながら理解し、その次の問題に答えていくという形式を取ることが多いです。それは、単に知識が多い生徒を求めてはいないからです。
「あれ?これ習ってないや!」と気づいても諦めない生徒、問題文の中の簡単な説明で理解できる生徒、誰かから教わらなくても自分で道を切り拓いて進んでいける生徒を求めているからです。社会に出てから必要とされるのは、そういう能力です。真の意味での「生きる力」です。
公文式の「学年を越えた学習」は、この力を養うことが目的です。習っていないことに果敢に挑戦すること、プリントの中のヒントを手掛かりに自分で考え理解していくこと、誰かに教わらなくても自分の力で壁を乗り越えていくこと。公文式の教室が最も力を入れているポイントは、正にココなのです。
参考文献:2014年度受検用公立中高一貫校適性検査問題集(みくに出版)(小林教室収蔵)
《教室だより増刊号インデックス》
※今後、大学入試や高校入試で一般的になると思われる合科目型・総合型の出題形式が公立中高一貫校適性検査では既に一般的になっているため、この増刊号で取り上げています。ですから、中高一貫校だけを特に意識しているわけではありません。もちろん、だからと言って東桜学館を全く意識していないわけでもありません(笑)。
◆◆◆公文式小林教室◆山形県東根市◆◆◆